第8章

星野澪が驚くべき速さで私に駆け寄り、シャンデリアが落下するその瞬間、私を突き飛ばして地面に押し倒した。

巨大な衝撃音が劇場全体に轟き、ガラスの破片が四方八方に飛び散る。

「大丈夫か?」

星野澪が小声で私に尋ねた。

私は何ともなかったが、彼の右腕は鋭いガラス片で切り裂かれ、その血がシャツの袖口をみるみるうちに濡らしていった。

劇場は混乱に陥り、公演は中断を余儀なくされ、医療スタッフがすぐさま現場に駆けつけた。団長は舞台の中央に立ち、観客に向かって深く頭を下げて謝罪する。

「本日は誠に申し訳ございません。チケット代金はすべて払い戻しさせていただきます」

私の視線は、パニ...

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